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3月のSAIJI-KI

3月に書かれたネイバーさんへのメッセージ
 

                               太田淳志

 

「 # Town 」SAIJI-KI 092:勝ち筋について⑤

さて、今日は勝ち筋を作る上での前提条件を話しますね。本来は先に話すべきだったのかもしれませんが。
これは、今年お店を閉められた(新たにこじんまりしたお店を出されるそうですが)三國清三さんのお店に二日連続でお店に行き2度目に行った時テーブルに来られた折についてお話しなのですが、
「昨日と少しニュアンスが違うのですがしっかりとしたアルモニーがあるのはなぜですか?」
と聞いたと思います。
シェフは
「基本のないアレンジは料理とは呼ばないしお客様には届かない」
ということをおっしゃったと記憶しています。そのあとさすがに二日連続で来られると、というエクスキューズもあったかもしれません。
頭の中で「基本のないアレンジ」は、という言葉がずっと残っているんですが。そして「組織能力開発」を軸足に置く頃、このことがずしんと重く自分の心に再度刺さることになります。
ホリエモンを批判するわけではないのですが、
「寿司なんて10年も修行はいらないし3ヶ月学べばお店は開ける」
それはそれで間違ってはいないとは思います。ただそのお店は続くのだろうか。。。と。まここには賛否両論ありますしバッサリとは切り捨てられないこともあります。
深耕する、深化する、縦の展開:波乗りをする、探索する、横の展開
我々の立ち帰る場所はニッチでした。以前もとP&Gの西口さんの記事を上げたと思いますが、
「これからの勝ち筋は「ニッチ」にしかない
に深く同意します。
ニッチとは
戦わない
深耕する
規律を守る
これですね。
これが基本だったりします。
このことを忘れたり、考え違いをすると同じところをぐるぐる回って一向に成果が出ない。もう何を言いたいかわかるかと思うのですが、いわゆる、探索や横の展開というのは、縦の展開ありきの話です。これには完成などないし、終わりなどないです。この過程が「規律」としてチームになければそもそも横展開など思いつきや気負い、基本忘れたアレンジにすぎないことを忘れてはいけまいと思うんです。
朝令暮改は小規模事業者では当たり前のことですし、私は否定しません。しかし、私に
「太田さん、こんなん思いついたのですが!」
と言われるのは90%以上単なる思いつきです。成功したためしがない。つまり続かないし、周りは振り回されるだけ。
横展開に移行することは大切です。同時にできるチームが今後は良いチームとして持続可能性を追求できるでしょう。しかし、しっかり足元を見てください。
「我々にはどんな規律があったのだろうか、この規律の中にこそらしさが生まれる」
ことを。
ここ半年、横展開の大切さの話をしてきました。いろいろな視座で話を展開してきました。そして今は「規律」の話を多くしていると思うわけです。「規律」とは基本のないアレンジの「基本」の部分、そして行動のパターンであり「カルチャー」のことです。積み上がらない「カルチャー」なきアレンジは、単なるお遊びでしかない。この部分を明確にしているからこそ、横展開(アレンジと言って良いかもしれない)がうまく行く。そうでない場合元の木阿弥になる、何も積み上がらないということ。
さて、「# Town」は三月末で区切りを迎えますが、あえて皆さんにお聞きします。
「# Town」でどんな「規律」を学び事業で実践し積み上げてきたのでしょう。
ここ数ヶ月のテーマです。
 
 

 

「# Town 」SAIJI-KI 091:勝ち筋について④

「ヨッチ」「ヤベッチ」「ダメッチ」の話から勝ち筋についてお話ししています。今回はターゲットとルート(筋)のお話をします。前回のなべさんの事例からターゲットの絞り方と顧客になるまでのルートの取り方のお話したと思います。その解説に近いかもしれない。
マネジメント上、どのターゲットを優先するかは自ずと見えてくると思います。一貫した独自性の要になり、かつ総客数に対しての比率をできる限り5割に近づけたい。これで損益を超えれば万々歳なのですが、「Afterコロナ」はそうはいかないでしょう。
ま、それはそれとしてどんな要件を設定するべきか。これは簡単でまず「客単価」です。客単価が高いイコールなんらかの価値を認めてくれている層。そして2番目は回数。数回は顔を見ている(実際はもっと来ているかもしれない)層。
つまり「客単価×回数」というわけです。この客層が増えると相対的に売り上げも上がるわけですね。客単価が高い方が多く来店されれば何もしなくても客単価が上がるので。
さて、この層を逆タイムマシーン思考をするわけです。この人たちのプロファイルを徹底的に洗う。なぜ何度も来られてるのか、もともとどんなCEPなのか?
例えばなべさんは
・4,000円以上
・希少部位/単価の高いもの
・アルコールを飲まれる
だったわけです。つまり、「CEP」見分けが簡単につかないとアプローチできないのでここはよく考えないといけない。お客様の特徴が見分けできないとうまくいかないということ。これがSPの対象になった。ここから始めました。あとはこの層の回数を稼ぐために年間のプロモーションの計画をしっかり立ててさらに深める深耕することになる。ここはここだけでなんとか賞客数の50%を目指す。
お中元やお歳暮企画、GW、お盆等々、とにかく季節の細かい提案をオートマチックにする。勘違いしてはいけないのは、それぞれのイベントの反応が大切なのではなくて、LTVの視座で見ること。例えばいつもの来店以外でも、利用していただける(「To-Go & Delivery」でも良い)回数を一回でも増やすこと。そうでないと休眠化にもつながる。
そこでポイントだったのは、これはトップだけで考えてはダメ。マネジメントで大切なのは「コインの表裏/&の考え方」現場で顧客と接しているリーダークラスと考えるんです。その場自体が育成につながることをお忘れなく。
次にそれ以外の層を見つけるいわゆる水平展開、探索を始めるわけです。ちなみに前出をTG01とすると、そのTG01でのやり方をそっくりそのまま当てはめること。ここで規律が生まれる。
さて、他のターゲットのプロファイルを考えていると、いわゆる「ルート」が見えてくることがあります。「ルート」とは勝ち筋の筋。顧客化の「ルート」のことを言います。勝ち筋があるとか見えるというのは
・ターゲットごとの「ルート」
・ショートカットの「ルート」
・今までなかった「ルート」
・一番太い「ルート」
・弱い「ルート」
等々色々考えられると思いますがあること、見えるということ。
「ルート」意識という言葉がマーケティング上ありますから、このターゲットはどの「ルート」を辿れば良いかという想像力が大切ですね。これが
なべさんでいうと、新規のお客様のSPの返りの中でTG01のプロファイルにかする、「お手軽」だけではなく「上質」なものを求められる方がいる。今までであれば、あと何回か同じSPをしていくのでしょうが、例えば、「お肉お好きですか?」とお声がけした上で(CEPを探るための)TG01の会員特典などを特別に渡してみる。つまり今までとは顧客創りの「ルート」を見出すということ。
他にも探索をするとは、じっくり顧客のCEPを観察することですし、SPの戻りを分析することです。この二つの分析から、ショートカットの「ルート」、今までなかった「ルート」が見えてきます。だからこそ、探索は現場からのボトムアップが必要なんです。つまり、このプロセス、規律が結果顧客創りのスピードを上げることになります