9月のSAIJI-KI
「# Town」SAIJI-KI 075:目に見えない何か、そこに気づけるか。

太田淳志
まずここ何ヶ月かあるテーマを設定していました。それは「当たり前ではないことに気づくこと」でした。ここ何ヶ月かずっとこのことをRINJIN-KAIでもDO-JOでも部会でも話してきました。ナラティブなシナリオやストーリーは見えないものです。心の眼で観て感じるものです。
時代の変化、つまり市場の変化、顧客の変化と働く人の変化を少しずつ感じているとは思います。それはどこから始まっているのか。どこで始まるのか、ここに気づかないと変化の本質を掴めない。
目の前に見えること(つまり「モノ」 )の変化を変化だと捉えていたらいつまで経ってもリアクション芸人のポジションで終わります(出川さんがプロフェッショナルに出演したのは飛び抜けているからだからそれはそれで良いのだか)。
いつも流行り物しか目に行かないようでは持続可能性の時代、デジタルの時代についてはいけないということです。流行り物はいつも時代の底を流れる物事の考え方の「あだばな」であり、マーケティングでは「フック」でしかない。いつか終わるだから「ハヤリモノ」ですね。
書籍でも示しましたが、デジタルの時代とはある意味「レイヤー構造」の時代です。ある目的があってその上にさまざまな物事が積み重なっていく。そして階層ごとにプレイヤーが違うことだってある。ブランディング・ストラクチャーで言えばのコンセプトの部分(ST01から08)。
ところがデジタルの時代だから故にその「なぜ」や「本質」が発信され(ガーシーのように暴露されることもありますが)実はそうだったのか、と驚愕したりします。だからこそ、この部分が大切。
持続可能性のヒントをつかむこととはその「レイヤー構造」の根っこを掴むこと。「モノ」ではなくKO-TO-KI-MI をつかむこと。そしてその人の心に触れること。
河村さんが言っている「心の眼で観ること」つまり感じること。なべさんが言う「思いと期待のあいだに立つ」こと。國友くんが言う「当たり前の部分を当たり前にしない」こと。山田さんの「透けて見える仕事の向こう側」も表現が違えど全て同じです。そう表現できるからこそ「# Town」ではミドルマンのポジションなのです。
ここを捉えようとすると、または顧客でもチームメンバーでも感じてもらおうとすると、出川さんではないが「本気(と書いてマジと読む)」でないといけない。手抜きではいけない。命(時間)を削って真剣勝負する。打算など必要ない。どれだけ情熱を傾けることができるのか。なべさんの言うやりたいことと期待の間にに立って、「もっと、突き抜けろ!」と自分自身を鼓舞しなければならない。すぐに周りが理解できるようなオリジナリティーに手を出すな、と言うこと。それは生活者として生きることそのもの。それがブランディング。
ブランディングは顧客からするとその部分と繋がることです。人そのものと繋がることも同じことですが、人そのものでもなければ見た目じゃない。
今回どれだけ目の前にある様々な人の準備にかける時間、思いに触れることができたでしょうか?だからこそ手作りのキャンプは素晴らしい。「#TAKIBI-KAI」は素晴らしい。誰かが作ったものの上に乗っかるだけであれば、居心地の良いホテルに泊まった方が良い。楽して楽しいだけなら意味がないからです。
この時代だからこそ、その習慣を持ってほしい。それがニッチの流儀です。簡単にできることには手を出さずあえて「簡単でない、簡単にはできない」を突き埋めること。その部分に触れたのなら、あなたの顧客は何に触れているのか想像してほしい。その習慣のきっかけに「#TAKIBI-KAI」がなれたら良いのですが。